2013年6月から直近2023年6月までの合計30回分について「聴解と筆記それぞれの合格基準点」「聴解と筆記それぞれの平均点」「聴解と筆記それぞれの合格基準点と平均点の差」「志願者数」「受験者数」「受験率」「合格者数」「合格率」を整理してみました。
ソース:試験結果 | 中検 | 中国語検定試験 (chuken.gr.jp)
前半15回分「第80~94回平均」と後半15回分「第95~109回平均」と比較して気づくのは、以下3点です。
- 基準点はいずれも67〜68程度の一定水準で維持されている。
- 筆記・聴解とも平均点が上がっている。聴解平均「64.1→66.8」、筆記平均「58.3→62.4」。
- 受験者数が「1,822→1,241」と減少した一方、合格率が「23.5%→32.6%」に上昇した。
受験者数減少の理由について、中国語検定協会に問い合わせたところ、コロナや少子化の影響というよりも、HSK等の中国語検定以外の資格試験を受ける人が増えていることもあるのではないか、とのことでした。
実際、HSKのサイト(HSKとは | HSK 日本で一番受けられている中国語検定 (hskj.jp)
で公表されているとおり、日本のHSK受験者数は、過去10年間でおよそ2倍近く増加しています。この影響で、以前は中国語検定を受験していた人たちが一部HSKに流れているのかもしれません。
一方、HSKは、漢字とは縁もゆかりもないアルファベット文字を持つ欧米言語を母語とする人たち等も多数受験しており、漢字に慣れた日本人にとっては、相対的に受験しやすい試験であるのかもしれません。
私自身、HSK5級と中国語検定2級の両方に合格した者として、中国語検定2級の方が、語彙レベルや訳出問題等において、HSK5級よりも総合的に難易度が高いと感じています。
特に、HSK5級にはない、中国語検定2級の大きな特徴として、高度な語彙力を求める問題や「中国語⇔日本語」翻訳問題があると思っています。
私個人としては、高い語彙力や正確な翻訳力を問う中国語検定2級の良さが再評価される時が来ると思っています。