お気楽Mickの中国語・韓国語学習日記

独学で中国語と韓国語を勉強しています。

【中国語】区別が難しい音節ペア: enとeng

区別が難しい母音ペア、今回は enとengの違いについて説明します。

 

【前置き】

日本語では、歯茎鼻音[n]と軟口蓋鼻音[ng]は、同一環境において、これら子音の違いによって単語の意味が区別されることはありません。例えば、「本」という単語の語末を歯茎鼻音[hon]で発音しても、あるいは、語末を軟口蓋鼻音[hong]で発音しても、どちらも「本」と認識されます(ちなみに、語末を両唇鼻音[hom]で発音しても、鼻母音[ɔ̃ ]で発音しても、「本」と認識されます)。

一方、中国語においては、歯茎鼻音[n]と軟口蓋鼻音[ng]は、同一環境において、これら子音の違いによって単語の意味が区別されます。例えば、「真」[zhen1]と「争」[zheng1]、「身」[shen1]と「声」[sheng1]はそれぞれ別の意味の単語です。

このため、日本語ネイティブにとって、中国語単語語末の[en][eng]の区別は難しいのです。

 

まず、▶をクリックし、以下音声を聞いてみてください。

最初の音声が[en]、2番目が[eng]です。

 

また、以下は中国語[en][eng]の音声波形およびスペクトログラムです。

en と engの音声波形とスペクトログラム

上の図は音声波形です。

下の図はスペクトログラムです。横軸が時間、縦軸が周波数成分。濃淡が周波数成分の強さを示しています。より濃い部分は、その周波数成分がより強いことを示しています。[eng](右)の方が [en](左)よりも持続時間が長いことにお気づきかと思います。また、[eng]の方が先行母音のフォルマント周波数の影響をより強く長く受けています。[en]は低周波数のみ持続性がありますが、[eng]は3000Hz、4000Hz等といったより高い周波数帯も先行母音のフォルマント周波数の影響を長く強く受けています。そのせいか、[eng]の方がより長く聞こえるのかもしれません。

したがって、[en]と[eng]の聞き分けトレーニングの際は、[eng]の方が[en]より長いということを意識するのがよいかもしれません。

 

■問題1 次の音声は、[en]でしょうか?それとも、[eng]でしょうか?

答えは本ページ最下部にあります。

 

■問題2 次の音声は、[en]でしょうか?それとも、[eng]の合成音でしょうか?

答えは本ページ最下部にあります。 

 

■問題3 次の音声は、[en]でしょうか?それとも、[eng]でしょうか?

答えは本ページ最下部にあります。

 

 

問題1の答え:[eng]

 

問題2の答え:[en]

 

問題3の答え:[eng]