お気楽Mickの中国語・韓国語学習日記

独学で中国語と韓国語を勉強しています。

【中国語】区別が難しい母音ペア: iとü(yu)

区別が難しい母音ペア、今回は iとü(yu)の違いについて説明します。

 

以下は中国語の6つの単母音のスペクトログラムです。

中国語の6つの単母音(a o e i u yu)

左から4番目がi、6番目がü(yu)ですが、第一フォルマントと第二フォルマントの距離等、これら母音が類似の周波数成分を持っていることがわかると思います。これら母音の類似度の詳細についてはスペクトログラム画像の類似度から見た母音の類似度をご確認ください。

 

まず、▶をクリックし、以下音声を聞いてみてください。

最初の母音がi、2つ目がü(yu)です。

 

両母音のスペクトログラムとフォルマント軌跡を分析しました。

1番上の図は音声波形です。

上から2番目はスペクトログラムです。横軸が時間、縦軸が周波数成分。濃淡が周波数成分の強さを示しています。より濃い部分は、その周波数成分がより強いことを示しています。

そして、上から3番目はフォルマント軌跡です。各時点におけるフォルマント周波数(F1、F2、F3、F4)を抽出し、その軌跡を時系列分析したものです。

母音"i"&"yu"の音声波形、スペクトログラム、フォルマント軌跡

確かに、両母音のスペクトログラムおよびフォルマント周波数分布には類似点が多いですが、よく見ると、 iの方が ü(yu)よりも第一フォルマント、第二フォルマント、第三フォルマントとも若干高いことにお気づきかと思います。

計測してみると、iの中心部付近の第一フォルマントは218Hz、第二フォルマントは2421Hz、第三フォルマントは3406Hzでした。一方、ü(yu)の中心部付近の第一フォルマントは203Hz、第二フォルマントは2375Hz、第三フォルマントは2875Hzでした。

 

そこで、iの各主要フォルマント(F1: 218Hz、F2: 2421Hz、F3: 3406Hz)を合成した音声と、ü(yu)の各主要フォルマント(F1: 203Hz、F2: 2375Hz、F3: 2875Hz)を合成した音声をそれぞれ作成してみました。

 

iの各主要フォルマントを合成して作成した音声です。

 

ü(yu)の各主要フォルマントを合成して作成した音声です。

 

合成音の響きは人工的ですが、各母音の特徴となるエッセンスが詰まっているので、これらの区別がしっかりできれば、実際の発話においても、 iとü(yu)を正確に聞き分けられるようになるかもしれません。



■問題1 次の音声は、iの合成音でしょうか?それとも、ü(yu)の合成音でしょうか?

答えは本ページ最下部にあります。

 

■問題2 次の音声は、iの合成音でしょうか?それとも、ü(yu)の合成音でしょうか?

答えは本ページ最下部にあります。 

 

■問題3 次の音声は、iの合成音でしょうか?それとも、ü(yu)の合成音でしょうか?

答えは本ページ最下部にあります。

 

 

問題1の答え:iの合成音

 

問題2の答え:ü(yu)の合成音

 

問題3の答え:iの合成音